タリスでブリュッセルに行ってきた

Guten Tag!
今夏、単位回収のためにドイツは西の端アーヘンに流刑されています。

アーヘンはここ

地図を見ての通りオランダ、ベルギーの国境に近く、ケルンとパリを結ぶ高速列車タリスも停車するので他都市への移動も非常に便利です。

当初は高速列車なんぞ使わないで行く予定でしたが、1週間前にフランス国内を走行中のタリス車内で発砲事件が起き、不謹慎ながらも冒険心がくすぐられてしまい乗車を決意。今回はこのタリスを利用して午後だけでブリュッセルに行ってきました。

 

1.チケット予約・購入

アーヘン中央駅でもチケットの購入はできるのですが、チケットレスサービスを試したかったのでネットで予約しました。

参照:Thalys.com(英語)

サイトトップにあるフォームに乗車駅・降車駅・日時・チケット種別を入力して「Search」をクリックするとその日の運航便とそれぞれの料金が表示されます。

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上記画像はユースチケットの検索結果ですが、見ての通りComfort 1(1等車)がComfort 2(2等車)より安いという驚きの結果が!

私が利用した日(8月28日)も行きの列車は1等車の方が安かったので思わずポチってしまいました。帰りは2等車の方が安かったので無難にそちらを選択。

往復の列車を選んだ後は個人情報の入力です。
ここで携帯電話番号の入力欄があるのですが予約完了後と利用日のSMSでの通知に使用されます。乗車列車の遅延情報も来るので登録しておくと便利でしょう。

 

WebからはチケットレスOnlyf:id:einehoheBr:20150829062707p:plain

 

最後に支払いです。
いつものメインカードで支払おうとしたのですが拒否されてしまいます。

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実際の画面

 

どうやら原因は利用できるクレジットカードが「3Dセキュア」対応カード限定だったようで、チケットレスの選択画面(2つ上の画像)をよく見るときちんと書かれています。

偶然にも予備で持ち込んだカードが対応していたので難は逃れましたが今後チケットレスを利用される方は十分注意してください。

 

支払いと予約が完了するとメールとSMSが届きます。

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このメールのQRコードを車内で車掌にかざせばOKです。
SMSのリンクを踏むとブラウザでもQRコードを表示できます。

 

前準備はこれで完了。あとは乗車を待つだけです。

 

2.乗車

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アーヘン中央駅からタリスに乗ります。予約確認のメールに”発車予定時刻の2分前までには乗車するプラットホームのいるように”と書かれていたので、13時10分にはホームに向かいました。そして、列車を待ちますが……13時23分になっても列車は来ません。

すると、ドイツ語、フランス語、英語の順でアナウンスが流れ、どうやら3分少々遅延しているとのこと。列車の遅延なんぞ欧州では日常茶飯事なのでとにかく待ちます。

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2分少々待つとようやく列車が到着。心ぴょんぴょんさせながらComfort 1の車両に乗車します。乗員交代で数分停車したのち列車はアーヘン中央駅を発車。しばらくは低速で走行しますが、これは国境のブシュトンネルが19世紀の建造であり速度制限が厳しいからだそうです。国境のそこまで長くないトンネルを抜けると、そこはもうベルギー。ここから列車はぐんぐん加速していきます。

 

ベルギー国内に入ってすぐに車掌が車内検札に回ってきました。私にはフランス語でまず話しかけてきたので、仏語弱者の私はすかさず"Deutsch or English"と返すと、車掌は英語でQRのコードの提示と車内食の案内、そしてドリンクの希望を尋ねてきました。

 

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車内の様子

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車内食。正直、まずい。

 

車内放送は仏独蘭英の4カ国語で流れ、どれも自動放送ではなく同一の車掌の声でした。さすがは欧州、多言語の地といったところです。

 

3.難関ブリュッセル南駅

途中駅のリエージュ・ギヨマン駅で座席もほぼ埋まり(ほとんどの乗客はフランス語話者)、アーヘンを発つこと小一時間でブリュッセル南駅に到着しました。

旅行ガイドブックには「南駅周辺は治安も悪く、駅構内でのスリも多い」と記載されていたので、不慣れな旅行者と悟られぬよう入念に周囲に注意を払いながらグランプレスの最寄りであるブリュッセル中央駅行きのチケットを買いに券売機へ。

この券売機がなかなかのクセモノで、クレジットカードはICチップ付きしか使えず、使用できる硬貨・紙幣も限られており、行きの時は良かったものの、帰りには使用できる現金がギリギリ足りず、後ろに並んでいた男性に50セントほど奢っていただくことになってしまいました。やはり、欧州旅行にはICチップ付きクレジットカードが必須ですね…。

そして、ブリュッセル中央駅方面の列車に乗るのですが、これもまた大変。電光掲示板の案内はフランス語とオランダ語だけな上に、路線図も全く見当たらずどの列車に乗ればいいのかさっぱりわかりません。とりあえず勘で乗った列車で合っていたから良かったものの反対方向だったらどうなってたことか…。尚、ブリュッセル中央駅の方は方向別にプラットホームが分かれていたので戻るときは特に問題ありませんでした。

 

4.市内観光

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南駅からは5分足らずで中央駅に到着します。

まずはグランプレスに向かうのですが、道中になんと日本語が…

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“極度乾燥”が"Superdry"の直訳なのはわかるにしろ括弧内の”しなさい”は一体どういうことなのやら。(あとでググッて知ったのですが、イギリスのアパレルメーカーだそうです。)

 

「極度乾燥(しなさい)」のところを左に曲がると、世界一美しい広場、グランプレスが見えてきます。

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ガイドブックによるとここもスリ多発地帯らしく、入念に注意を払いましたが、個人的には中東系の顔立ちをした物乞いがやたら多い印象でした。彼らは道端に居座るだけでなく、コップを持って自ら観光客に寄ってくるので注意が必要です。

 

そして、”世界三大がっかり“の一つ、小便小僧。

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小便小僧の周辺にはワッフル屋が多くあります。

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ここから王立美術館方面へ

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芸術の丘を見下ろす。

 

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ここにも日本語。

 

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館内は撮影OK。

尚、美術館に向かう途中で蜂に手首を刺されるというハプニングがあったため、痛みのあまり美術館の展示が全く記憶に残っていません。

 

あまり時間もなかったので、美術館を見終えた後はすみやかに駅に戻りました。

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ブリュッセル中央駅のスタバ

 

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ブリュッセル南駅からはロンドン行きのユーロスターも発車する。

 

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帰りもやはり15分ほど遅延して列車は到着。

一週間前の発砲事件のせいか、プラットホームにやたらと警備員が多かったのを覚えています。乗車の際は、アーヘンのときと違い、車両に乗る前と着席後の両方でQRコードの確認がありました。

帰りはComfort 2でしたので、1と比べると座席間隔とシートピッチが狭い…。新幹線の普通車よりも狭く感じられました。

 

アーヘンには定刻より10分遅れで到着。

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海外の高速鉄道に乗ったのは初めてでしたが、在来線との共用区間もあるせいか遅延が多い印象でした。座席の座り心地も個人的にはComfort 2よりは新幹線(E5系)の普通車の方が良い気がします。また、料金が変動性であることと、Comfort 1での車内食の提供はやはり日欧の高速鉄道に対する価値観の違いが強く感じられました。

再び欧州に行く機会はそうそうないとは思いますが、ユーロスタードーヴァー海峡を抜けるのも乗り鉄的には一興ありそうです。学生のうちには乗っておきたいですね。